■ 現代社会に深く染みついた「良い人思考」
現代の悩みの背景には
ポジティブ思考/良い人思考 が深く関わっています。
いわば “躁的防衛を高める社会的圧力” です。
この指向性の中で苦しみ続けている方は本当に多く、
サポートする立場としては、ここはしつこく伝えていきたい部分でもあります。
■ 「影」はそのまま相手に現れる
以前、挨拶をしない子どもについて相談を受けたことがあります。
1年間「挨拶をしなさい」と伝え続けても改善がない。
発達障害なのでは? と親御さんは心配していました。
ところが実際に観てみると、
その子は 弟に対してものすごく厳しく挨拶を強要して いたのです。
つまり、
「しっかり伝わっていた」わけです。
子どもは親が言葉で伝えたことではなく、
感情や空気ごと、そのまま受け取っている ということです。
■ 抑圧された本音はそっくり再現される
ミラーニューロンを通して、子どもは
“親の動きや感覚”そのものを引き継いでいきます。
この事例では、
親が自分に向き合った瞬間にすぐに解決しました。
つまり子どもは「健康に受け取っていた」。
笑い話で済んだ内容ではありますが、
抑圧が強ければ強いほど、現れる症状も比例します。
笑い話では済まなくなることもたくさんあるわけです。
■ 正しさで抑圧する社会
多くの大人が社会的に作られた「正しさ」を求めるあまり、
ネガティブな感情を抑え込み、抑圧しています。
そして同じように、子どもたちにも
綺麗で表面的な振る舞いだけを求めてしまいます。
-
厳しい態度でも
-
過保護でも
子どもをコントロールするための態度になった瞬間に、
それは“侵入的”な関わりになります。
■ 「正義」という名の抑圧
正義、成功、愛、優しさ―
その“理想像”の中に子どもを閉じ込めていく。
「悪」「失敗」「怒り」「憎悪」
は存在してはいけないもの、と伝え続ける。
しかし実際には、
子どもは大人が隠している本音を敏感に感じ取りながら、
それを含めて完全に再現しています。
■ 表面的に正しいだけの人は“不健康”
自分の感情を抑え込みながら「幸せ」「正義」を語る人は、
むしろ不健康な状態です。
心理学においても
“理想や成功だけにフォーカスする” アプローチは
躁的防衛を強めるだけであり、
無意識の抑圧をさらに深める 可能性があります。

■ “調子が悪い”と言えることは健康の証
「可能性を奪わないこと」とは、
裏を返せば
“悪やネガティブを抑圧しないこと” です。
素直な感情で在りたいと願う人を“狂気”と呼び、
表面的な正しさだけで生きている人を“正気”と呼ぶ社会。
それはまさに
正気という名の狂気
と言えるのかもしれません。
だからこそ、
「私は調子が悪い」
「私は疲れた」
と口にできることは、むしろ 健康の証 なのです。

