■ 呼吸はいまのその人の生き方を表している
呼吸が浅い人生は、
感情も浅くなる。
そしてもう一つ、
身体心理の視点から見れば、
とても大切な事実があります。
呼吸はいまのその人の生き方を表している。
それは比喩ではありません。
いま、どれだけ無理をしているか。
どれだけ力を抜けているか。
どこで止まり、どこで踏ん張っているか。
それらはすべて、
呼吸の中にそのまま現れています。
■ 私たちは感情を「心の問題」だと思っている
私たちはふだん、
感情を
・心の中に生まれるもの
・考え方や解釈の問題
・出来事への反応
として理解しがちです。
しかし、本当にそうでしょうか。
息が詰まったまま怒りを感じ、
息を止めたまま悲しみを味わい、
浅い呼吸のまま喜びを表現する。
それは、
どこか無理のある話です。
感情は、
最初から身体で起きているのです。
そしてその身体の状態を、
最も端的に映しているのが
呼吸です。
■ 呼吸は、感情の土台にある
怒りを感じると、
呼吸は自然に荒くなります。
悲しみを感じると、
息は深く沈み込みます。
安心すると、
吐く息が自然に長くなります。
感情が変わると、
必ず呼吸が変わります。
つまり、
呼吸は感情の「結果」であると同時に、
感情そのものの一部なのです。
呼吸が浅いとき、
感情もまた、
表層だけをなぞる体験になります。
そんな気がする、と言った実感のない浅い体験です。
■ 呼吸が浅いとき、人生も浅くなる
呼吸が浅いとき、
身体では
・胸だけで呼吸している
・腹や背中がほとんど動かない
・緊張が抜けにくい
その状態では、
怒っているのに、
本当の怒りまでは届きません。
悲しいはずなのに、
涙までは出てこない。
喜んでいるのに、
どこか実感が薄い。
呼吸の浅さは、
そのまま生き方の浅さとして現れます。
ここで言う「浅さ」とは、
劣っているという意味ではありません。
感じきれない状態のことです。
■ なぜ人は、呼吸を浅くするのか
大切なのは、
呼吸が浅いことを
性格や弱さの問題にしないことです。
多くの場合、
呼吸を浅くすることは
生き延びるための適応でした。
・感じすぎるとつらかった
・感情を出すと否定された
・安心して息を吐ける場所がなかった
そうした環境の中で、
身体は自然と、
呼吸を小さくし、
感情の波を抑える方法を身につけます。
それは、
身体なりの賢さでもあったのです。
■ 呼吸はいまの生き方を映している
呼吸は性格ではありません。
過去でもありません。
いま、どう生きているか。
それが、そのまま現れています。
・止まらないように生きている人の呼吸
・気を張り続けている人の呼吸
・委ねられず、吐けない呼吸
言葉では「大丈夫」と言えても、
呼吸は嘘をつきません。
呼吸は、
いまの生き方の現在形です。
■ 呼吸が変わると、人生の質が変わる
呼吸が深くなると、
感情が「増える」のではありません。
感情が、
本来の深さを取り戻すのです。
胸だけでなく、
肋骨の横、背中、腹部まで
息が行き渡るようになると、
・理由のない悲しみ
・抑えてきた怒り
・じんわりとした安心感
が、
自然に立ち上がってきます。
感情を「感じよう」としなくていい。
生き方を無理に変えなくていい。
ただ、
呼吸に余地をつくる。
それだけで、
人生のトーンが変わりはじめます。
■ 身体心理療法が見てきたこと
身体心理療法家 アレクサンダー・ローエン は、
治癒を
「症状が消えること」ではなく、
「より深く感じられるようになること」
と定義しました。
呼吸が出入りし、
緊張と弛緩が行き来し、
感情が身体を通って流れていく。
それは、
動ける人生に戻ることでもあります。
■ 考える前に、息をする
感情がつらいとき、
私たちは答えを探します。
なぜこう感じるのか。
どう考えればいいのか。
けれど本当に必要なのは、
理解よりも先に、
息を吐くことです。
足の裏に体重を乗せ、
いまの呼吸に気づき、
少しだけ余白をつくる。
感情は、
理解される前に、
すでに呼吸とともに動いています。
■ まとめ
呼吸が浅い人生は、
感情も浅くなる。
そして、
呼吸はいまのその人の生き方を表している。
だからこそ、
呼吸に戻ることは、
自分の生き方に戻ること。
考える前に、
まず息をする。
そこから、
人生は自然に深さを取り戻していきます。
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