「子供が可愛くない」─の感情は変容への入り口。

2025.08.08

「子供が可愛くない」「触れたくない」「イライラする」
そんなふうに感じてしまった瞬間、自分を責めてしまう方はとても多いものです。

「母親(父親)失格だ」
「なんでこんなふうに感じてしまうんだろう」
「本当は愛したいのに、できない…」

しかし、身体心理療法やゲシュタルトの視点から見ると、その“感情”こそが、抑圧されてきた何かのサインであると捉えることができます。

■ 「未完了の感情」がある

ゲシュタルト療法では、私たちの“今ここの感情”には、未完了な体験や抑圧された欲求が関わっていると考えます。

「子供が可愛くない」と感じる背後には

• 自分自身が「子供だったときに十分に愛されなかった記憶」
• 「こうあるべき親像」と現実の自分との葛藤
• 一人の人間としての自由を失っている窮屈さ
• 誰にも頼れない孤独

などの感情が未完了(未消化)のままになっていることがあるのです。

■ その感情、身体はどう感じているのか?

身体心理療法では、「感情は思考ではなく身体に宿る」と考えます。

たとえば、

• 子供を見たとき、胸が詰まるような感じがする
• 触れようとすると、腕や手が硬直する
• 声をかけようとしても、喉が詰まって言葉が出ない

そうした感覚はすべて、“今のあなた”が感じている真実です。
そこには善悪も、正解もありません。

むしろ、感じられないことの方が危険なのです。

■ 感情は敵ではない

「子供が可愛くない」
その気持ちは、あなたを責めるためのものではありません。

むしろ、これまで頑張ってきたあなたの心と身体からの訴えなのです。

その奥には、抑圧され続けた感情が眠っているはずです。

• 「もっと助けてほしかった」
• 「ちゃんと休みたかった」
• 「自分の時間が欲しかった」
• 「わたしだって、抱きしめてほしかった」

■ まずは“感じる”ことから

ゲシュタルト療法では、「気づき」が癒しへの第一歩です。
身体心理療法では、“今ここ”の身体感覚に丁寧に触れることが、回復への道になります。

たとえば、少しこんな声を自分に投げかけてみてください

• 今、どこに力が入っている?
• 呼吸は深い?浅い?
• 子供のことを思い出すと、どこが反応してる?
• その感覚を、ただ「あるがまま」に受け止められる?

それだけで、少しずつ身体の緊張がほどけ、感情が流れ始めるかもしれません。

■ まとめ:本当の声に耳を傾けてみる

「子供が可愛くない」と感じるとき、
それはあなたが壊れているからでも、間違っているからでもありません。

それは、「これまで感じたかったけど、感じられなかった何か」が、
今ようやく意識に上がろうとしているサインなのです。

その声を、身体の感覚を通して、丁寧に受け取ってみて下さい。

その奥には、きっとあなた自身の愛とつながる場所が、静かに待っているでしょう。

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