「子供が可愛くない」「触れたくない」「イライラする」
そんなふうに感じてしまった瞬間、自分を責めてしまう方はとても多いものです。
「母親(父親)失格だ」
「なんでこんなふうに感じてしまうんだろう」
「本当は愛したいのに、できない…」
しかし、身体心理療法やゲシュタルトの視点から見ると、その“感情”こそが、抑圧されてきた何かのサインであると捉えることができます。
■ 「未完了の感情」がある
ゲシュタルト療法では、私たちの“今ここの感情”には、未完了な体験や抑圧された欲求が関わっていると考えます。
「子供が可愛くない」と感じる背後には
• 自分自身が「子供だったときに十分に愛されなかった記憶」
• 「こうあるべき親像」と現実の自分との葛藤
• 一人の人間としての自由を失っている窮屈さ
• 誰にも頼れない孤独
などの感情が未完了(未消化)のままになっていることがあるのです。
■ その感情、身体はどう感じているのか?
身体心理療法では、「感情は思考ではなく身体に宿る」と考えます。
たとえば、
• 子供を見たとき、胸が詰まるような感じがする
• 触れようとすると、腕や手が硬直する
• 声をかけようとしても、喉が詰まって言葉が出ない
そうした感覚はすべて、“今のあなた”が感じている真実です。
そこには善悪も、正解もありません。
むしろ、感じられないことの方が危険なのです。
■ 感情は敵ではない
「子供が可愛くない」
その気持ちは、あなたを責めるためのものではありません。
むしろ、これまで頑張ってきたあなたの心と身体からの訴えなのです。
その奥には、抑圧され続けた感情が眠っているはずです。
• 「もっと助けてほしかった」
• 「ちゃんと休みたかった」
• 「自分の時間が欲しかった」
• 「わたしだって、抱きしめてほしかった」
■ まずは“感じる”ことから
ゲシュタルト療法では、「気づき」が癒しへの第一歩です。
身体心理療法では、“今ここ”の身体感覚に丁寧に触れることが、回復への道になります。
たとえば、少しこんな声を自分に投げかけてみてください
• 今、どこに力が入っている?
• 呼吸は深い?浅い?
• 子供のことを思い出すと、どこが反応してる?
• その感覚を、ただ「あるがまま」に受け止められる?
それだけで、少しずつ身体の緊張がほどけ、感情が流れ始めるかもしれません。
■ まとめ:本当の声に耳を傾けてみる
「子供が可愛くない」と感じるとき、
それはあなたが壊れているからでも、間違っているからでもありません。
それは、「これまで感じたかったけど、感じられなかった何か」が、
今ようやく意識に上がろうとしているサインなのです。
その声を、身体の感覚を通して、丁寧に受け取ってみて下さい。
その奥には、きっとあなた自身の愛とつながる場所が、静かに待っているでしょう。

