■はじめに
「母が嫌だったはずなのに、気づけば自分も母のように振る舞っている」
カウンセリングやセラピーの現場では、こうした話をよく耳にします。
不思議に思うかもしれませんが、これは心理学・身体心理療法の視点から見ると、とても自然な現象です。
■なぜ不満の相手を真似してしまうのか
幼い子どもにとって、母は安全と生存の基盤だからです。
母に反発することは、その安全を失う危険を意味します。
そこで、子どもは「母のパターンを取り込み(内在化)」その通りに振る舞うことで安心を確保します。(コピー)
このとき、母への不満や怒りは心の奥に押し込まれます。
結果として、子供は「素朴な自分で居れない不満を抱えたまま、無意識に親のパターンを生きる」という二重構造が固まってしまうのです。
そして、習慣化される中で、「不満の中での安全基地」に慣れ親しみ
いつも銃弾の飛び交う「戦場の中の安全地帯」へと引き寄せられるように人生の不満を繰り返していく事になるのです。
この時、感情を抑えた親の姿は
内面では怒りを抱えながらも、見かけには”優しく正しい母”として見えるため、幼い子は気づかないのです。
■起こっている心理的メカニズム
- 内在化(鵜呑み):母の言動・態度をそのまま自分の一部として組み込むこと
- 投影同一視:母から与えられた役割や性格を、無意識に演じ続けること
これらはポリヴェーガル理論の観点から見ると、安全を保つための生理的反応です。
母とのつながりが唯一の安全の拠点であるため、腹側迷走神経系(安心モード)は母との同調(無境界な場)を通してのみ作動します。
不満であっても、そのつながりを失わないように取り込み、「模倣」が強化されてしまうのです。
■身体に表れるサイン
- 表情や声のトーン、口癖が母に似てくる
- 特定の状況で、反射的に母と同じ反応をしてしまう
- 好みや対人関係のパターンが母と似てくる
- 怒りや悲しみが湧く前に、胸やお腹が緊張して抑え込まれる
■なぜこれが苦しみを生むのか
母を模倣している間は、確かに表面的に「安全」が守られます。
しかし、その行動は本来の感情や欲求とは逆方向であることが多く、満たされない感覚が続くのです。
このズレが長期化すると、自己否定感や慢性的なストレスが生まれてしまうからです。
「仮の安心」を得ようと努力すればするほど、心身は枯渇していくのです。
■解放へのステップ
- ・母(父)のパターンを観察する(身体で感じる)
- ⇒言動・態度・感情の扱い方を具体的に。
- ・身体感覚に意識を向ける
- ⇒そのパターンを演じているとき、体のどこがこわばるかを感じる
- ・未完了の感情(不満)を安全に体験する
- 押し込まれていた怒りや悲しみを、安心できる場で表現する
- ・新しい安心源を作る
- 「母を生きる」以外で安全を感じられる体験(人・場所・活動)を増やす
- ”仮の安全”を繰り返してきた人は、そこから抜ける事への恐怖が肥大しています。
- 新しいパターンを同時に体験し安心感を持っていく事が重要です。
■おわりに
「母を不満に思いながら、母を生きる」パターンは、過去の安全戦略の名残です。
それは当時の自分を守った大切な知恵でしたが、今のあなたには別の選択肢があるのです。
身体と心の両方を使い、自分自身の安心と自由を再構築していくことが、真の解放への道なのです。
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