コーチングを受け続けても変わらなかった人に、私が伝えたこと

2026.04.06

Silhouette of person in front of glass window photo – Free Street photography Image on Unsplash

未来を描いても変わらない人がいます。

コーチングや自己啓発のセミナーを、たくさん受けてきた人がいます。

未来を描く。  
理想の自分を明確にする。  
前向きな言葉を使う。  
行動を変える。  
思考を整える。

そうしたことを、一生懸命やってきた。  
けれど、それでもどこかで苦しさが抜けない。  
現実は変わらない。  
一瞬上がることはあっても、また元に戻ってしまう。

そういう人がいます。

実際に今回も、コーチングによって未来を描いてみました。  
その時間そのものは、決して無意味ではありません。  
未来を見ること、可能性を見ることには意味があります。

けれど、その後に私は、こういう話をしました。

人間は、陰と陽で成り立っている。

明るさだけでは成り立ちません。  
前向きさだけでも成り立ちません。  
元気さ、理想、成長、行動、希望。  
そうした“陽”の側面だけで人間ができているわけではないのです。

不安。  
寂しさ。  
怒り。  
恐れ。  
虚しさ。  
迷い。  
動けなさ。  
傷つき。  
そうした“陰”の部分もまた、その人の一部です。

にもかかわらず、世の中には  
「明るい方がいい」  
「前向きな方がいい」  
「未来を見た方がいい」  
「ネガティブを手放した方がいい」  
という空気が強くあります。

でも、それをやりすぎると何が起こるのか。

晴れの部分にだけ光を当てて、雨を否定することになるのです。

雨が悪いのではありません。  
曇りが失敗なのでもありません。  
陰が未熟なのでもありません。

それを否定し続けると、自分の内側にある葛藤はむしろ強まります。  
あるいは、自分のしんどさや痛みから切り離されていく。  
つまり、解離が強まっていきます。

一見すると前向きです。  
一見すると成長しています。  
一見すると意識が高く見えるかもしれません。

けれど実際には、自分の一部を置き去りにしたまま、明るい側だけで生きようとしていることがあるのです。

それでは、どこまで行っても満たされません。

なぜなら、自分の全体を使って生きていないからです。

◾️なぜコーチングだけでは届かないことがあるのか

コーチングは、未来を見る力があります。  
目標を明確にし、行動を促し、前に進むサポートをする。  
その力は確かにあります。

ただ、それが機能しにくい人もいます。

それは、前に進めない理由が「行動不足」ではなく、  
もっと深いところにある場合です。

たとえば、

・本当は怖い  
・傷ついている  
・怒りが抑え込まれている  
・悲しみが凍っている  
・身体がずっと緊張している  
・人との関係の中で古いパターンが繰り返されている

こうしたものが土台にあるとき、  
上から「未来を描こう」と働きかけても、変化は表面的になりやすいのです。

頭ではわかる。  
理想も見える。  
やるべきこともわかる。  
でも、なぜか進まない。

それは意志が弱いからではありません。  
その人の内側に、まだ触れられていない部分があるからです。

◾️必要なのは、ボトムアップのアプローチ

だからこそ必要になるのが、  
陰の部分を見ていくことです。

しんどさを見ていく。  
感じたくなかった感情に触れていく。  
身体に止まっている反応に気づいていく。  
関係の中で繰り返されるパターンを見ていく。

これは、単に暗い話をするということではありません。

むしろ逆です。

見ないようにしていたものを見ていくことで、  
はじめて人は、自分の全体を取り戻していきます。

上から理想をかぶせるのではなく、  
下から土台を整えていく。

これが、ボトムアップのアプローチです。

頭で自分を変えようとするのではなく、  
身体や感情や無意識の反応も含めて、  
その人の全体を扱っていく。

そうして初めて、  
未来は「描くもの」から「生きられるもの」に変わっていきます。

◾️コーチング迷子になっている人へ

今回この話をした方は、とても納得されていました。

そして、  
「これは、世の中のコーチング迷子の人にぜひ伝えた方がいい」  
とまで言ってくださいました。

私はその言葉に、とても本質が含まれていると感じました。

未来を描くことが悪いのではありません。  
明るさや希望が悪いのでもありません。

問題なのは、  
それだけで人間を扱おうとすることです。

人は、そんなに単純ではありません。

陰があるから、陽が生きます。  
雨があるから、晴れも意味を持ちます。  
しんどさを無かったことにして、本当の意味で軽くなることはありません。

だからこそ、変わらなかった人に必要なのは、  
さらに強い前向きさではなく、  
自分の中に置き去りにしてきた部分に、丁寧に出会い直すことなのだと思います。

◾️最後に

「未来を見ているのに、なぜか変わらない」  
「たくさん学んできたのに、満たされない」  
「前向きにやってきたはずなのに、どこか苦しい」

そう感じるなら、  
それはあなたがダメなのではありません。

もしかすると、これまでのアプローチが、  
あなたの“陽”にばかり光を当て、  
“陰”を置き去りにしてきただけかもしれません。

人間は、陰と陽で成り立っています。

どちらか片方だけではなく、  
その両方を含んだ全体として自分を扱っていくこと。

そこから、本当の意味での変化は始まります。

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