
朝食のテーブル。
長男がお茶をこぼした。
その瞬間、胸の奥がギュッと締めつけられる。
「また…」という苛立ちが喉まで上がってくる。
一方で、横で長女がご飯をポロポロ落としても、なぜか笑って「しょうがないなぁ」と言える。
この感情の差は、一体なんだろう、、
と感じる事はありませんか?
■ 無意識に映し出される“過去の誰か”

心理学では、これを投影と呼びます。
人は、自分の中にある感情や性質を、無意識に他人の中に見出します。
素朴にそのままを見る事は出来ないのです。
長男が見せる少し不器用な仕草や、言い訳する口調。
それは、かつての自分や、父、あるいはパートナーの姿と重なります。
その時、心の奥にしまい込んだ自己否定の記憶が刺激され、防衛反応が走るのです。
このように「自分の受け入れられない部分」を他者に投影し、それごと拒絶する。私は自己投影的拒絶と呼んでいます。
■ 長女は安全な存在に見える

一方、長女の表情や声はそうした記憶をあまり呼び起こしません。
むしろ、自分が「こうありたかった」「こう可愛がられたかった」という理想像に重なるのです。
だから、自然に優しい目で見られるし、身体も緩むのです。
■ 身体の中でも違いが起きている

長男に反応する瞬間、呼吸は浅くなり、肩や首が硬くなります。
これは身体心理療法でいう筋肉の鎧の作動です。
過去に身を守るために作られた緊張パターンが、目の前の出来事に連動して再生されているのです。
長女と接している時は、呼吸が深く、胸やお腹がふわっと緩む。
安全と受容のパターンが作動している証拠です。
■ 気づきから変化へ

この差に気づくことは、変化の第一歩です。
長男に苛立ちを感じたら、こう問いかけてみましょう。
「これは今の彼への反応なのか?それとも過去の誰かへの反応なのか?」
そして、反応した時の身体の状態も感じてみます。
胸が締めつけられているのか、喉が詰まっているのか。
それは、昔のあなたが否定された時の身体感覚かもしれません。
■ まとめ
長男と長女への感情の差は、性格の違いだけではなく、心の奥に残った記憶のフィルターによって作られていることがあります。
投影に気づき、その時の身体反応を優しくほどくことで、兄妹それぞれをありのままに見られるようになるのです。
その変化は、親子関係を柔らかくするだけでなく、あなた自身をも自由にしてくれるのです。

