凍りつきから立ち上がるときに起こること

2025.09.14

急な行動、違和感、そしてつながり

私たちは、強いストレスやつらい体験に出会うと、心と身体が「凍りついたように動けなくなる」ことがあります。
頭が真っ白になったり、身体が固まったり、言葉が出なくなったり感じです。

これは自分を守るために起こる自然な反応で、「フリーズ」と呼ばれます。
フリーズの間は、まるで時間が止まってしまったように感じます。

外から見れば落ち着いているように見えても、内側では「これ以上何も感じたくない」「動いたら壊れてしまう」という必死の防衛が働いているのです。

■回復のときに起こる「急な行動」

やがてフリーズが解けてくると、止まっていたエネルギーが戻ってきます。
それは「じわじわ」戻ってくるというよりも、しばしば反動のように押し寄せてきます。

急に行動を起こしたくなるのです。

・急に引っ越しや転職を決めたくなる
・急に別れを切り出したくなる
・急にお酒を飲みすぎたり、買い物をしてしまう
・急に泣いたり怒ったりしてしまう


これらは「悪いこと」ではありません。

それまで押し込めていたエネルギーが一気に外に出ようとする、自然な回復のサインでもあるのです。

■行動の途中で訪れる「違和感」

こうした行動の途中で「何かおかしい」「本当にこれでいいの?」と感じることがあるかもしれません。

この違和感はとても大切なサインなのです。

なぜなら、それは「勢い」や「過去の繰り返し」と、本当に自分が望んでいることとのズレを知らせてくれるからです。
違和感を無視して突き進むと、あとで「なぜあんなことをしてしまったんだろう」と後悔につながることも少なくありません。

しかし、違和感に気づけたときこそが、新しい選択のチャンスなのです。

■違和感を感じたら

違和感に出会ったとき、できることは二つあります。

1. 立ち止まる

「今、どんな感情なのか?」「身体はどう感じているのか?」と自分に問いかけてみましょう。
胸が詰まっている、首や肩が固い、足がそわそわする。
そんな感覚に気づくだけで、急ぎすぎていた流れがゆるみます。
そして「今日はここまで」「一晩寝かせてみよう」と保留するのも大切です。

2. やり切る

一方で、時には「最後までやり切る」ことが必要な場面もあります。
泣きたいだけ泣く、怒りを声や動きで表す、別れたい気持ちをすべて言葉にしてみる。
やり切ることで、心と身体に溜まっていたエネルギーが解放され「自分はどう感じたのか」を振り返ることができるのです。

ここで、更に抑圧(言いたい事を飲み飲む)すると、衝動は加速し行動だけが加速してしまいます。

■大事なのは「つながりの中でやり切る」こと

ここで大事なのは、「一人きりでやり切らない」ことです。

孤独の中で衝動を突き進めると、同じ失敗を繰り返してしまうことが多くなります。

信頼できる相手やセラピスト、安心できる関係性の中でやり切ると、

  • ・途中で違和感を感じたときに支えてもらえる
  • ・やり切ったあとに気持ちを振り返れる
  • ・「ただの衝動」ではなく「体験の統合」へと変わる


つまり、つながりの中でやり切ることによって、行動化は「繰り返し」ではなく「回復の一歩」になるのです。

■親子・夫婦・パートナー関係での具体例

親子関係

子どもが癇癪を起こして泣き叫ぶとき、親が「泣いてもいいよ、ここにいるよ」と見守ることで、子どもは「泣いても支えられる安心」を学びます。

・夫婦関係

夫婦げんかで片方が怒りをぶつけても、相手が一方的に反撃するのではなく「今は苦しいね」と気持ちを受け止めることで、 怒りは単なる破壊ではなく、関係を見直すきっかけになります。

・パートナー関係

「別れたい」と衝動的に口にしても、相手が「今はそう感じているんだね」とまず受け止めると、 その言葉は一時的な衝動で終わらず、より深い対話につながることがあるのです。


どの例でも共通しているのは、「どんな行動をしても支えられている」という体験が安心を育てるということです。

■どんな行動の中でも支えられる安心を学んでいく

大切なのは、行動そのものを正しい・間違いと裁くことではありません。

たとえ泣いても、怒っても、失敗しても、その中で「支えられている」と感じられる体験が、人を回復へと導きます。

安心とは「何も起きない静けさ」ではなく、どんな行動の中でも支えらていると学んでいくプロセスなのです。

■まとめ

・凍りつき(フリーズ)が解けると、急な行動化が起こりやすい
・行動の途中で訪れる「違和感」は、本当の欲求に戻る入り口
・違和感を感じたら「立ち止まる」ことも「やり切る」ことも大切
・親子・夫婦・パートナー関係の中で、「どんな行動でも支えられる」体験が安心を育てる
・つながりの中で安心を学んでいくこと

 急な行動や衝動、違和感、失敗。

すべてが「支えられる安心」を学ぶための通過点なのです。

salonSonomama は、カウンセリングを中心に心身の不調の軽減を目指す、セラピールームです。
薬を使わず、心と向き合うことで心身の回復を促します。

当サロンは阪急水瀬駅より徒歩10分の立地にございます。
完全予約制で、対面以外にもオンラインにも対応しております。
お気軽にご相談くださいませ。

当サロンの特徴>>
ご予約はこちら>>

PAGE
TOP