トラウマは身体に刻まれる

2025.09.26

■トラウマは「心」だけのものではない

トラウマは「心の傷」と考えられることが多いですが、実際には神経系や身体感覚に深く刻まれています。

身体が覚えている反応

ベッセル・ヴァン・デア・コルクの著書『身体はトラウマを記録する――脳・心・体のつながりと回復のための手法でも示されているように、
トラウマは「過去の出来事の記憶」というよりも「身体が覚えている反応」として現在に影響し続けているのです。

例えば
・何気ない音や言葉に過剰に反応してしまう
・人前で話そうとすると胸が締めつけられる
・息が止まりそうになる瞬間がある

これは「頭ではもう大丈夫」と理解していても、身体がまだ“危険”を覚えているからです。

■神経生理学が教えてくれること

ポリヴェーガル理論(スティーヴン・ポージェス)をはじめとする神経生理学の研究でも、
トラウマが自律神経系に深く関与していることを示しています。

「闘う」「逃げる」「凍りつく」。
これらは本来、生き延びるための正常な反応ですが、トラウマによって神経回路が固着すると、日常生活の中で繰り返し現れます。

僕はよく神経回路を「川の流れ」にたとえて伝えます。
一度できた川筋は、自然にそこへ水が流れていく。
水を何度新しく変えても、いつも流れつく場所は濁った場所。
このように、身体は古いパターンを繰り返してしまうのです。

■トラウマは日常にある

一見トラウマと言うと、大きな体験をイメージしがちですが
実際は”その人の固有の体験”です。
一般的な出来事の大小では測れないものなのです。

sonomamaでもセラピーを通して、身体に残っていたトラウマと出会うことは日常です。

胸が締めつけられ、喉が塞がる感覚。
その奥から出てきたのは「母への怒り」や「父への恐怖」。

頭では「もう理解した」と思っていても、身体はまだ手放していないのです。
身体こそが真実を語っていると実感する日々です。

ワークの中では、言葉より身体が声をあげ始めます。
呼吸が浅い、足が冷たい、腰が痛む。
そうした身体のサインが“過去の記憶”を映し出すことがあります。
言葉よりも先に、身体が語りはじめるのです。

■sonomamaのセラピーが大切にしていること

ただ感情を無理に解放させることではなく、

・安心できる関係と場をつくること
・微細な身体の反応に気づくこと
・感情と感覚を「今ここ」で安全に扱うこと

避けたい感覚に安心の中で留まること。
そこから新しい神経回路が少しずつ芽生えていきます。

回復へのアプローチ

回復には言葉だけでなく、身体を媒介にしたアプローチが必要です。

・呼吸や小さな動きから身体感覚を取り戻す
・マインドフルに“今ここ”の安全を感じる
・声やエネルギーを少しずつ外に出す
・言葉と身体体験をゆっくり統合する

sonomamaのセラピーでも、こうした小さな気づきが、過去の鎖をほどいていく大きなきっかけになっています。

■「もう演じなくていい」

僕がよく伝える言葉があります。

「今は何かを演じなくてもいいですよ。」

これはクライアントに向けてであると同時に、過去の自分にも向けている言葉です。
身体に刻まれた記憶をひとつずつ解きながら、自分らしく生きていく。
そのプロセスを支えるのが、sonomamaのセラピーの力だと信じています。

そしてそれは特別な誰かだけでなく、誰の身体にも起きている自然な力です。
あなたの身体も、すでに回復への道を知っています。

salonSonomama は、カウンセリングを中心に心身の不調の軽減を目指す、セラピールームです。
薬を使わず、心と向き合うことで心身の回復を促します。

当サロンはJR島本駅より徒歩10分の立地にございます。
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