カウンセリングやセラピーで大切なことは何かと聞かれると、私は「気づき」と答えます。
sonomamaのセラピーでも、身体の解放の次のプロセスとして「気づきのセラピー」を行います。
それほど大切なものなのです。
多くの方は「気づく」というと、原因や方法を知ること、つまり認知だと思います。
しかし、認知は思考による理解であり、本来の気づきとは違います。
気づきとは、生き物が本来持っている基本的な機能です。キリンは「首が長い方が便利だ」と考えて進化したわけではありません。
ただ環境に身を委ね、全身で世界を感じながら生きてきただけなのです。
- ◾️思考優位な社会では難しい
現代は「何かになるために」という目的が前提になりやすい社会です。
そうなると、気づきが単なるリラクゼーション法やパフォーマンス向上の手段に置き換わってしまいます。
東洋では、坐禅や瞑想によって思考を離れ、説明や理解を求めず、そのままを体験する修行が行われてきました。
しかしこれは簡単ではなく、修練が必要です。
本来の気づきは、何かを得るためではなく、煩悩や条件づけから解放されるための営みなのです。
◾️マインドフルネスと注意点
マインドフルネスは、気づきを現代的に取り入れた方法として有名です。
その効果は心理療法や医療でも注目されています。
けれど「楽になりたい」「能力を高めたい」という思考的な欲望から始めると、本来の瞑想とは違う方向に進んでしまいます。
◾️ゲシュタルト療法での三つの気づき
sonomamaでは、複雑な瞑想よりも、日常に生かせるゲシュタルト療法をベースにしています。
創始者のフリッツ・パールズは禅から影響を受け、セラピーでの気づきを「ミニサトリ」と呼びました。
ゲシュタルト療法で大切にする気づきは、次の三つです。
- 思考に気づく(今、何を考えているか)
- 身体に気づく(今、どんな感覚があるか)
- 五感に気づく(今、環境とどう触れているか)
セラピーでは、この三つを切り替えながら体験します。
そうすることで、自然に選択の幅が広がっていくのです。
◾️解放はゼロ地点、気づきは前進する力
身体の解放は、たとえるなら故障車を新車に戻すようなものです。
しかし、そこからどこへ進むかを決めるのは「気づき」です。
思考・身体・五感すべてに気づく力が、人生の選択肢や可能性を広げてくれるのです。
「決まりきったことや習慣は学習された機能であり、それを変えるには新しい気づきが必要なのです」
— フリッツ・パールズ
苦しさから解放されるだけで終わらず、自分らしく生きるための前進力を持つこと。
それこそが、本来のセラピーが目指すところなのです。


