「私が考えている」という錯覚を解くと心は驚くほど楽になる

2025.08.12

  • 「私」が考えているという感覚が錯覚であるのは、科学の世界でも良く知られていることです。
  • ”思考は加工された産物”であり、”自由意志”はどこを探しても未だ見つからないものなのです。

しかし多くの人は、思考が先に出現し、“私”がその作者であるという物語の中で苦しみを生み出しています。

この思考による作者感に囚われず、単なる”応答者”として穏やかに「今ここ」へ戻ることが生きやすさへと繋がるのです。
創造的で自由な心とはこの”作者感の囚われのなくただ応答者として人生を選択しながら生きている”と言う事なのです。

ゲシュタルト療法、身体心理療法ではこの作者感(加工された思考)をポイントに扱っていく事が多くあります。
是非参考にしてみて下さい。

■ ゲシュタルト療法と気づきの3領域

ゲシュタルト療法では気づきを3つに分けて捉えています。
これは禅や東洋思想も近いものであり、パールズも日常的に起こる悟りの領域として
”little satori”という表現をしています。

3つの気づきとは

  • • 外部領域(Outer):見える・聞こえる・触れている現実
    • 内部領域(Inner):身体感覚・感情・呼吸・衝動
    • 中間領域(Middle):思考・想像・解釈・物語

この全てに”気づいている”意識を持つことで思考による苦しみのループを抜けていくのです。
作者感(中間領域)に巻き込まれた時は、外部と内部に意識を広げ「思考」の独占を解除し全体の感覚へ戻していきます。

これにより応答者として自由な選択(意味づけ)が可能になるのです。

■身体心理療法の視点

作者感(思考)は特定の身体パターンとも密接に結びついています。

  • ・ 目の緊張(焦点を固定/眉間の圧迫)→思考の加速
    ・ 喉の閉まり(声の通り道が狭い)→感情と思考の分断(頭の中の自己対話が過剰になる)
    ・ 首肩の固定→動きと思考の分断(考え込む姿勢にロックする)
    ・ 胸やお腹の緊張→感情や衝動の抑制

思考に固定するときは、感情の流れを身体でブロックし、素朴で、素直な感覚を抑え込むのです。
これらをゆるめると感情が流れ始め「私が考えている感」が薄まっていきます。

これにより応答者に戻りやすくなり、思考の幅や感情が広がっていくのです。

  • ■変化は他者との関わりで観察出来る

ゲシュタルト療法では、他者との接触の中で5つの障害が起こると考えられます。
接触境界(Contact Boundary)と言います。

ここには同時に身体の反応も起こるため、身体反応と合わせて観察していく事で対処することが出来るのです。

「5つの障害」
・鵜呑み:無批判に価値観を取り込む、未消化感情(呑み込む動き、食いしばり、胸の圧迫感)

  • ・投影:感情を他者のものだと思う(視線、姿勢の変化)
    ・反転:エネルギーを自分に向ける(身体の緊張)
    ・転換:話題を逸らす(身体の傾き)
    ・無境界:自他の境界が曖昧になる(相手側へ傾く・呼吸浅くなる)

  • これらの反応が出た事に気づき、意識的に応答者(俯瞰者)に戻ることで、思考、感情的な幅が広がります。

■まとめ

  • 作者感(思考の囚われ)に気づくことは、けして責任を手放すことではありません。
    気づきや身体感覚を通して応答者に戻り、今ここで選ぶための土台づくりなのです。
  • 例えば、身体に意識を向ける(足裏・呼吸・視野・姿勢)短い流れだけでも、日常の小さな場面を変えていくことが出来ます。

このような背景から、ファシリテーター(セラピスト)は気づきを促すガイドとして機能しています。
続ける事でセラピストのガイド無しで気づきの能力が高まり、苦しみに巻き込まれないようになるのです。

これで人生を応答者(俯瞰者)として選択し、気楽で自由な心で生きていく事が出来るのです。

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