
私たちは、悲しみ・怒り・不安などの感情をそのまま表に出すことを恐れ、つい抑え込んでしまうことがあります。
しかし、感情を抑えるほど、世界が「脅威」に見えてしまうことをご存じでしょうか。
■抑圧と感情エネルギー

感情は抑えても消えるわけではありません。
「出してはいけない」「弱さを見せられない」と思うと、感情は抑圧され、心の奥に押し込められるのです。
そして、そのエネルギーは消えず、身体に留まり続けます。
呼吸は浅くなり、胸や喉や腰が硬くなるのです。
そして見落とされがちですが、大抵お腹(腹部)は深く緊張しています。
怒りを抑える → 肩や顎が固くなる
悲しみを抑える → 胸が閉じる、呼吸が浅くなる
不安を抑える → 胃やみぞおちが硬くなる
恐れや無力感を抑える → お腹(丹田まわり)が固まり、安心感を失う
お腹は「生命力と安心の中心」です。ここが固まると、根っこから不安定になり、世界に委ねられなくなるのです。
■世界が脅威になるまで

身体で押さえ込まれた感情エネルギーは、自分のものとして感じられなくなっていきます。
すると無意識のうちに、外の世界へ映し出されていきます。
怒りを抑えた人 → 「相手が怒っている」と感じる
悲しみを抑えた人 → 「可哀そうな人ばかりが目につく」
不安を抑えた人 → 「世界が危険で脅威に満ちている」
抑圧された感情は外に貼りつき、世界そのものが「脅威のスクリーン」として映ってしまうのです。
■ 良く見られる日常での表れ方

・子供をコントロールしたくなる
抑えた不安が子供の自由さに映り込み、「ちゃんとさせなきゃ」となる。
・パートナーが否定的に見える
自分の中の怒りや拒絶が相手に投影され、「否定されている」と感じる。
・可哀そうな人ばかりが目につく
自分の悲しみや無力感が外に投影され、「弱い人だらけの世界」に見える。
様々な「身近な人」を通して、抑えた感情を感じることになるのです。
■セラピーの役割

セラピーでは、このプロセスを「防衛」として理解し、決して否定しません。
抑圧している身体の緊張に気づき、抑えてきた感情を安全に体験することを行います。 「外に見えていたものは、自分の中の感情だった」と取り戻していくのです。
特にお腹まわりの緊張をゆるめることは大きな鍵です。
腹部に手を当てて呼吸を送ったり、ゆっくり揺らすだけでも「世界に安心して委ねられる感覚」が少しづつ戻ってきます。
■まとめ
感情を抑えると、世界は脅威に見える様になる。
それは、抑圧された感情エネルギーが外に投影され、世界の見え方を歪めてしまうからです。
胸や喉、腰、そしてお腹に隠れている感情を少しずつ感じられるようになると、他人の脅威は薄れ、世界は再び「安心とつながりの場」として立ち現れてくるのです。
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