身体の記憶を探る

2025.07.23

意図せず過去の体験をふと思い出したことはないでしょうか。
私は最近ある場所を通った時、身体の記憶に触れる体験から様々な心の変化を感じました。

リアルタイムな出来事として、今回は「記憶」の話をしてみます。

カウンセリングやセラピーではこの感覚は非常に重要です。
きっと腑に落ちる事も多いと思いますので是非参考にしてみて下さい。

記憶を辿っても真実はわからない

何か思い出す時、
目線を上げながらあれだこれだと考えを巡らす事が多いのではないでしょうか。
これが一般的な”思い出す”行為だと思います。

しかし、この記憶探索では真実に触れる事は出来ません。

この思い出す機能は
”今の現実に合わせたストーリー作り”だからです。
単に時系列や出来事を並べて「今」の現実に合うように帳尻り合わせをしているのです。

カウンセリングでは過去の体験に触れていきますが
この”思い出す”行為では

「特に気になる過去はない」
「大した問題は特にない」
「すでに終わった事」

と言った結論が出る事になります。

かつてフロイトが指摘した様に
”埋もれた感情が出てこない限りは、忘れられていた子供の記憶を思い出しても治療上の効果はない”のです。

真実に触れていくためには、出来事ではなく、感情の記憶に触れる必要があるのです。

感情の記憶は身体から上がってくる

予期せぬタイミングで

「何かこの感じ覚えている」
「この場所来たことがある」

などと体の感覚から記憶があがって来たことはないでしょうか。

私も出先である場所を通った時、強烈に記憶が情景として浮かびました。
1秒前には意識の片隅にもなかった感情の記憶がリアルな感覚としてあがってきました。

まるでその瞬間に戻ったかのような体験です。

当時の環境、人間関係などが蘇り、感情体験が走馬灯の様に流れたのです。

悲しさ、切なさ、怒りなどが湧き上がり動けなくなりました。

「何回か来た事がある場所」「何年前に来た場所」などと言ったありきたりの出来事やストーリーとしてではなく

「今ここの体験」として起こってきたのです。

これが身体の記憶です。

実はこういった体験は誰にでも自然と起こっています。
しかし大抵の場合は、いとどまる力(感情のホールド力)が無く
自動的に感情を含まない出来事に変換されてしまっています。

特にネガティブな感情の場合、不快を避けるためにすぐに変換されているでしょう。
感情は保留され身体に記録されていくのです。

五感や動きの中に記憶が宿っている

感情はEmotionと言われる様に、動きを伴った感覚です。
動きには筋骨格の随意のもの、内臓などの不随意のものがあります。

これらは、五感と密接な関係を持っています。
相互に機能しながら生命を維持しているのです。

例えば、空腹を感じ、五感を使い、手を動かして食べる。と言った事です。これで自分を満たしているのです。
どれが欠けても満たすことは出来ません。

不快を感じた時に、五感を閉じ、筋肉を固め動きを止めると、感情は鬱積し苦しくなってしまうのです。
人は社会の生き物ですから、様々な場面で感情を溜めこみながら生きています。

より大きな影響となった身体(感情)は、未完了の記憶として今の身体に記録されています。
それが慢性的な筋肉の緊張や呼吸の抑制(内臓の緊張)などになっているのです。

出来事をいくら話しても苦しさが堂々巡りになるのは、動きと五感へのアプローチが欠けているからです。
身体の動きや感覚、五感を使わなければ真実の記憶が浮かんでこないのです。

私の場合、風景を五感で捉え、身体を感じたことで、感情を含んだ本当の記憶が思い出されたのです。

今を感じる事

つまり、考える(過去を思い出す)事をやめた時、身体の記憶にアクセスすることが出来ます。
ただ身体に意識を向けていくのです。

身体を感じる。とは”現実の自分に気づくこと”でもあります。

身体のどこが緊張しているのか
身振りや仕草はどうなっているのか
呼吸でどこが動いているのか

五感は環境からどう影響されているのか

今ここに居る自分に刻々と気づいていくのです。
こうすることで記憶は自然と浮かんできます。

今の現実に沿わないもの、信じがたい感情ほど真実だと思っても良いかもしれません。
この記憶をキャッチし、受け入れていく事が心理ワークのプロセスでもあります。

当然辛い感情に触れる事もあります。
セラピーがキツイと捉えるならこの部分でしょう。
しかし、変容や成長のためには欠かせない事なのです。

sonomamaでゲシュタルト療法などの技法を使うのは

「今ここ中心」の心理療法
「気づき」の実践的な心理療法

と言われる様に、一般的なトークセラピーとは違い身体の反応や現実を扱っていくからです。
まさに素早く変容を起こす実践的な技法なのです。

まずは、身体に意識を向ける事から始めてみて下さい。
重要な記憶が自然と浮かんでくるでしょう。

最後に

重要な記憶というのは身体に記録されているものです。
それは夢の中の様に、繋がりのない”場面”や”描写”として浮かんできます。
時には辛いプロセスもありますが、その体験と気づきが真の成長、変容へと導いてくれるでしょう。

sonomamaでは「見立て」や「解釈」よりも「今ここで感じる事」「身体の感覚」を中心にカウンセリングを進めていきます。
先に述べた様に、”思い出した記憶”に拘ると真実が埋もれてしまうからです。

その他、感情の流れを良くするエクササイズや、姿勢、歩き方の指導なども行っています。

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