不安や悩みがゼロにならなくてもいい。心身の「土台」を育てるセラピーの話

2026.05.19


「どのくらいかかりますか?」と、よく聞かれることがあります。
セラピーのゴールや目処は、やはり気になるものですよね。

症状をなくすこと。
悩みを消すこと。
いつも前向きでいられること。

そう思って質問される方がほとんどですし、そう思っている方も多いかもしれません。
でも、僕が定義するならば、ゴールは
「抱えながら過ごせる器ができること」です。

不安がゼロになるわけじゃない。
傷つかなくなるわけでもない。
それでも、

・苦しさに飲み込まれすぎない
・感情を感じても壊れない
・人と居ても自分を見失いにくい
・しんどい日があっても戻って来られる

そんな心身の土台が育っていくことだと思っています。

◾️ 安心できることは大切。でも、それだけでは終わらない

もちろん、安心できることや、理解されること。それ自体も、とても大切です。

ただ僕はそれを、「散らかった部屋の中に、とりあえず座れる場所を作った状態」に近いと感じています。

呼吸が少し楽になる。
安心できる人ができる。
自分の状態を理解できる。

それはとても大事な第一歩です。
でも、本当に必要になってくるのは、その部屋を少しずつ片付け、必要なものを配置し、自分で整えていく力。

本当の始まりは、そこからなのかもしれません。

◾️ 身体は「生き延びるため」に固まってきた

僕たちの身体や神経は、過去の体験から、
「感じないようにする」
「固める」
「我慢する」
ことで、今日まで生き延びてきました。

だから、ただ考え方を変えるだけでは、深い部分はなかなか変わりません。身体は、ずっと昔の危険を、今も現実のように感じ続けていることがあるからです。

◾️ 影の部分を抱えられるようになること

何年も開けていない引き出し。
見ないようにしてきた感情。
いやーな、自分の影の部分。

それを直視するのは、正直かなりきついです。
身体も抵抗するし、神経も「危険だ」と警報を鳴らします。

それでも、良い自分だけではなく、
嫉妬する自分、
怖がる自分、
執着する自分、
逃げたい自分、
傷つけたくなる自分。

そういう影の部分も含めて、「自分の中に居てもいい」と思える器を育てていく。
そして、抱えながら生きられるようになること。

◾️ 本当の意味でのサポート

問題を消すことではなく、自分との関係が変わっていくこと。
良い部分だけではなく、影も含めた“自分全体”と、少しずつ共に居られるようになること。

僕はそこを目指すことが、本当の意味でのセラピーであり、真のサポートになっていくのだと感じています。

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