目と心の関係について

2026.08.17

心の悩みがある時、人に見られる、人を見る、といった
目を通した関わりに問題が生じてくる方も多いと思います。

sonomamaでは、発達心理学や身体心理の視点から
他者とのコンタクト、特に目のワークを行いますが

この時単に目を合わせるための練習などといったことはしません。

簡単に言えば、
目を通して、その人がこれまで人とどのように関わり、どのように自分を守ってきたのかを見ていきます。

例えば

人の目を見ると怖くなる。

相手の顔色ばかり気になる。

見られると身体が固まる。

相手の目を見て話していても、自分が何を感じているかたりのか分からなくなる。

これらは、単なるコミュニケーションの苦手さではないかもしれません。

目には、これまで経験してきた人との関係が残っているからです。

◾️目が変わると、人との関わり方も変わる

目を扱うことで変わるのは、アイコンタクトの長さなどではありません。

相手の顔色を読み続けなくてもよくなる。

見られても、自分の身体にいられるようになる。

苦しくなったら、自分から目を逸らせるようになる。

目を逸らしても、関係が壊れないと分かる。

そして、見たいと思ったときには、自分から相手を見られるようになる。

人と一緒にいても、自分を失わない

目のワークが目指しているのは、そうした変化です。

◾️赤ちゃんは、目を通して関係を学ぶ

sonomamaでは、心のストレスと身体の関係を扱っています。

その考えのもとになっている一つが、ヴィルヘルム・ライヒから続くボディーサイコセラピーです。

ライヒは身体を、

目、口、喉、胸、横隔膜、お腹、骨盤や腰まわり

という七つの場所に分けて考えました。
ライヒ自信は深く触れてはいないようですが
これらはヨガのチャクラとも関係するようにも思います。

ボディーサイコセラピーでは
つらい感情を抑えるために、僕たちはこうした場所に力を入れていると捉えます。

息を止める。

歯を食いしばる。

喉を締める。

胸を固くする。

お腹に力を入れる。

などです。

それが長く続くと、出来事が終わったあとも、身体には緊張が残ります。

七つの場所の中でも、目は特に早い時期の人間関係と深く関わっています。

赤ちゃんは、言葉を話せない頃から、身近な大人の顔を見ています。

泣いたときに、こちらを見てくれた。

笑ったら、笑い返してくれた。

怖くなって目を逸らしても、追いかけずに待ってくれた。

もう一度見たら、まだそこにいてくれた。

こうした経験を通して、赤ちゃんは、

「自分はここにいていい」

「自分の気持ちは相手に届く」

「人と一緒にいても大丈夫」

という感覚を育てていきます。

反対に、見ても反応が返ってこない。

いつも怒った目で見られている。

何をしているのか監視されている。

目を逸らしても追いかけられる。

そのような経験が続くと、見ることや見られることが、怖さや緊張と結びつくことがあります。

◾️関係の悩みは、身体でも起きている

僕たちの悩みの多くは、人との関係の中で生まれます。

嫌われるのが怖い。

自分の気持ちを言えない。

人の顔色ばかり見てしまう。

近づかれると苦しくなる。

相手が少し離れるだけで、見捨てられたように感じる。

こうした問題は、頭の中だけで起きているわけではありません。

実際に誰かと向き合った瞬間、身体で起きています。

相手を見た瞬間に、息が止まる。

胸が固くなる。

喉が締まる。

笑いたくないのに笑ってしまう。

足の感覚がなくなる。

頭では「この人は怖くない」と分かっていても、身体は昔と同じように反応することがあります。

だから、考え方を変えるだけでは、なかなか変わらない問題があるのです。

◾️問題は、目を逸らすことではない

一般的には、人と話すときは相手の目を見た方がいいと言われます。

目を逸らすと、自信がない。

失礼に見える。

コミュニケーションが苦手だと思われる。

でも、目を合わせられることが、必ずしも良い状態とは限りません。

相手の機嫌を確かめるために見続けている人もいます。

嫌われないように、笑顔をつくっている人もいます。

相手の目を見ながら、身体を固くして耐えている人もいます。

本当の問題は、目を逸らすことではありません。

見続けることしかできない。

反射的に逸らすことしかできない。

相手の顔色を確認するために、見続けなければならない。

見ることと見ないことを、自分で選べなくなっていることです。

◾️見る、逸らす、そして戻る

セラピーでは、相手の目を無理に見続けてもらうことはしません。

まず、自分の足や呼吸を感じます。

相手の目ではなく、肩や身体の輪郭を見ることから始める場合もあります。

見てみたいと思ったら、少しだけ相手の目を見る。

もう十分だと感じたら、自分から逸らす。

目を逸らしても、相手は怒らない。

関係も終わらない。

そして、また見たいと思ったら、自分のタイミングで相手を見る。

見る。

逸らす。

自分に戻る。

そして、もう一度見る。

目を合わせる時間を伸ばすのではなく、自分で選べる範囲を広げていきます。

目を合わせることを成功させるのではなく、見ることを自分で選び直すのです。

◾️セラピーで見えてくる、昔の目

セラピーでは、ときどき、

「今、僕の目はどのように見えていますか」

「そこには、何が見えていますか」

などと一見不思議なことを聞くことがあります。

しばらく意識を向けていくと、

「冷たい目に見える」

「粘りつくような目」

「どこまでも追いかけてくる目」

「監視している目」

「何も返してくれない目」

など、さまざまな表現が出てくることがあります。

当然僕自身は、そのような気持ちで見ているわけではありません。

それでも、その人の身体にはそう感じられている。

そこには、今の僕だけではなく、昔の人間関係が重なっていることがあるからです。

いつも厳しく見ていた人。

顔色を読まなければならなかった人。

見てほしかったのに、こちらを見てくれなかった人。

どこへ行っても追いかけてきた人。

頭では忘れていても、目や身体は、昔の関係を覚えていることがあります。

もちろん、そこで見えたものを「過去に本当に起きた出来事」と決めつけることはしません。

ただ、

「身体には、今そう感じられている」

と、一緒に確かめます。

見られると息が止まる。

逃げたくなる。

何かを返さなければならない気がする。

その反応に気づきながら、今度は自分から距離を選ぶ。

目を逸らす。

もう少し離れてほしいと伝える。

それでも関係が続いていることを経験する。

こうして、昔の関係の中で身につけた反応を、今の関係の中で少しずつ変えていくことが大切です。

目は、とても早い時期の関係につながる場所です。

そういう意味で、目のワークは、大きな変化につながることがあります。

同時に、深いところに触れやすいからこそ、慎重に扱う必要があります。

◾️次に誰かを見るときに

誰かと話すとき、相手の目をどれくらい見られたかではなく、自分の身体にも少し注意を向けてみてください。

相手を見た瞬間、息はどうなったでしょうか。

胸や喉に力は入っていないでしょうか。

足は床についているでしょうか。

本当に相手を見ているでしょうか。

それとも、相手からどう見られているかを気にしているでしょうか。

目を逸らしたくなったら、一度逸らしても構いません。

自分の身体に戻り、もう一度見たいと思ったら、自分のタイミングで相手を見る。

目を合わせることよりも大切なのは、相手を見ながら、自分を失わないことです。

「あなたがそこにいる」

そして、

「私もここにいる」

目は、そのことを確かめる大切な場所です。

sonomamaでは、目をとても大切に、そして慎重に扱っている理由です。

salonsonomamaでは、ゲシュタルト療法、心理カウンセリング、ボディサイコセラピー、ムーブメントインテリジェンス、ポリヴェーガル理論などをベースに、
その方のペースに合わせながら、身体・心・神経へ丁寧にアプローチしていきます。

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