
「頭では分かっているのに変われない」のはなぜか
「頭では分かっているのに変われない。」
「同じ人間関係を繰り返してしまう。」
「理由はないのに、人が怖い。」
こうした悩みは、考え方だけの問題ではないのかもしれません。
ボディーサイコセラピーでは、性格の土台は物心がついてからではなく、胎児期から3歳頃までの体験によって形づくられると考えます。
この時期は、まだ言葉を持ちません。
だからこそ、その体験は出来事として記憶されるのではなく、身体そのものに刻まれていきます。
呼吸、姿勢、筋肉の緊張、人との距離感、安心の感じ方。
これらはすべて、生き延びるために身につけた、その人なりの適応です。
ここでいう「身体の記憶」とは、出来事を思い出す記憶ではありません。
安心すると自然に力が抜けること。
誰かが近づくと身体が固まること。
緊張すると呼吸が浅くなること。
無意識のうちに繰り返される身体の反応や関わり方のパターンこそが、身体の記憶なのです。
ボディーサイコセラピーとは
ボディーサイコセラピーは、対象関係論や発達心理学、乳児研究、胎生学などの知見を取り入れながら、言葉を獲得する以前に形成された身体の記憶や対人関係のパターンを、身体を通して理解し、働きかけていく心理療法と言えます。
私自身、このアプローチに惹かれたのは、とても実用的だからです。
「なぜ頭では分かっているのに変われないのか。」
「なぜ同じパターンを繰り返してしまうのか。」
その理由が、身体という視点からつながっていきます。
知識として理解するだけではなく、身体で体験しながら変化していく。
そのプロセスはとても腑に落ちるものであり、だからこそsonomamaでは、ボディーサイコセラピーというアプローチを大切にしています。
発達段階ごとに育つテーマと身体
胎児期〜出生
テーマ:「安心して存在すること」
生まれる前の赤ちゃんに必要なのは、「何かができること」ではありません。
ただ、安心して存在できることです。
包まれている感覚。
一定のリズム。
穏やかな環境。
この体験が、「世界は安全な場所かもしれない」という身体の土台になります。
この時期に育つ身体
・安心して力を抜ける身体
・呼吸と脈動が自然に広がる身体
・緊張と弛緩を繰り返せる身体
この土台が十分に育たないと、
安心すると不安になる。
常に気を張っている。
力が抜けない。
そんな身体のあり方につながることがあります。
生後0〜1歳
テーマ:「信頼すること」
泣けば応えてもらえる。
抱っこされる。
目が合う。
声をかけてもらう。
こうした体験の積み重ねによって、「人を信頼しても大丈夫」という感覚が育っていきます。
この時期に育つ身体
・深く呼吸できる身体
・柔らかくしなやかな筋肉
・人に身体を預けられる感覚
・触れられることを受け取れる身体
この感覚が十分に育たないと、
人を頼れない。
甘えたいのに甘えられない。
人との距離が極端になる。
そんな対人関係のパターンとして現れることがあります。
1〜2歳
テーマ:「探索すること」
歩き始めた子どもは、安心できる人を拠点に世界を探索します。
離れていき、また戻ってくる。
この繰り返しが、自立の土台になります。
この時期に育つ身体
・足でしっかり踏ん張れる身体
・好奇心に合わせて自由に動ける身体
・行きたい方向へ進める身体
必要なのは、
「行っておいで。」
そして、
「帰っておいで。」
と言ってくれる安心基地です。
ここが揺らぐと、挑戦することが怖くなったり、反対に誰にも頼らず、一人で頑張り続ける身体になっていきます。
2〜3歳
テーマ:「私は私であること」
「イヤ!」
「自分で!」
という気持ちが育ち始めます。
自分の意思を持ち、自分と他者との境界を学ぶ、とても大切な時期です。
この時期に育つ身体
・自分の足でしっかり立てる身体
・健全な境界をつくれる身体
・怒りや喜びを自然に表現できる身体
必要なのは、存在そのものを受け止めてもらいながらも、適切な境界を経験することです。
ここでのやり取りが乏しいと、
NOが言えない。
人に合わせ続ける。
怒りを飲み込む。
自分が何を感じているのか分からない。
そんな生き方につながることがあります。
「頭では分かっているのに変われない」理由
ここまで読んで気づかれた方も多いのではないでしょうか。
これらはすべて、言葉を話す前に起きている出来事です。
今起きている問題は、「考え方」の問題というより、「身体が学習した生き方」の問題であることが多いのです。
身体は、
「この方が安全だった。」
という方法を、何十年も続けています。
だから考え方だけを変えても、身体は元の反応へ戻ろうとするのです。
ボディーサイコセラピーを取り入れる理由
私はもともとゲシュタルト療法を学び、現在でもその考え方をとても大切にしています。
ゲシュタルト療法は、「過去」や「未来」ではなく、「今ここ」で起きている体験に焦点を当てます。
この視点は、自我理想や「こうあるべき」という考えに縛られやすい現代において、とても効果的で、変化のスピードも速いと感じています。
一方で、「今ここ」だけを見ていると、その体験がどの発達段階で生まれたものなのかという視点が抜け落ちてしまうこともあります。
また、人によっては、「考えないこと」や「感じることだけを大切にすること」が防衛として働き、一時的な解放感や万能感へと流れてしまうこともあります。
私の場合、ここに発達的な視点が加わることで、「今ここ」で起きている身体の反応と、「これまでの人生」が一本の線としてつながるようになりました。
目の前で起きている現象が、どの時期の適応なのか。
その人は何を得られず、何を必要としているのか。
それが身体から見えてくるようになります。
ゲシュタルト療法が「今ここ」に光を当てるなら、ボディーサイコセラピーは、その「今ここ」がどのように育まれてきたのかという歴史を照らしてくれます。
私は、この二つが統合されることで、より地に足のついた、本質的な変化が生まれると考えています。
性格は木の年輪のように育つ
性格は木の年輪のようなものだと考えています。
自伝的な文脈で言えば、一番中心には、胎児期から3歳頃につくられた土台があります。
その上に幼児期、学童期、思春期、そして大人になってからの経験が積み重なっていきます。
外側の年輪だけを削っても、中心は変わりません。
本質的な変化とは、一番中心にある年輪に、新しい体験を書き加えていくことです。
私は症状だけを見るのではなく、その症状が生まれた「身体の歴史」と出会うセラピーをしたいと思っています。
身体は、言葉よりもずっと昔のことを覚えています。
そして身体は、大人になった今でも、新しい安心や信頼を学び直す力を持っています。
ボディーサイコセラピーとは、その最も古い年輪と出会い、もう一度育ち直していくための心理療法なのだと、考えています。
salonsonomamaでは、ゲシュタルト療法、心理カウンセリング、ボディサイコセラピー、ムーブメントインテリジェンス、ポリヴェーガル理論などをベースに、
その方のペースに合わせながら、身体・心・神経へ丁寧にアプローチしていきます。
「もっと自然体で過ごしたい」
「今の人生を、もっと豊かに味わいたい」
そんな方は、どうぞ“そのまま”でお越しください
少人数でのリトリートグループワーク、毎週のオンライン講座、なども行っていますのでお気軽にお問合せください。

